動物編。
殺生を禁じるネパールでは、動物と人間が共存しているという感じで、フリーアニマルたちがたくさん居た。ペットになっているのは、水牛とヤギだけ。そのほかほとんどの動物は綱にしばられることなく、人に怯えることもまったくなく、自由に生きている。
きったない体をした犬たちは、そんなこと気にもせず楽しげに路地を駆け回ったり、道行くひとを眺めたり。昼間はとにかく眠っているのが多かった。普段家に居なくてわからなかったけど、犬ってこんなに寝ているもんなのか! とネパールの犬を見て初めて知った。ポカラのオープンテラスのレストランでチキンステーキを食べていたとき、においを嗅ぎ付けてきたワンが柵の外でお利口に待っていたから、骨をあげた。日本人的発想だと、「犬にチキンの骨なんて、喉に刺さっちゃうから、だめよ」って感じだけど、待ってるからかまわずあげてみた。まったくおかまいなしにうまそうに食べていたし、その数日後も変わらず元気にその辺をうろついてるそいつを見かけた。
神の召使いである牛さまもそこら中に。はい通りますーとばかりの行進に、スコールの時には屋根のしたで雨宿りしている牛も。「牛が邪魔で車が通れないよ」なんてことはまるでなく、牛たちは道路の脇道を歩いている。「この子たちはみんなフリー牛なの?」と現地の人に聞くと、「夜はそれぞれうちに帰るんだよ」と言っていた。ネパールの動物たちは尊厳を与えられると同時に、人間と暮らす秩序をわきまえていた。
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